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2008年 3月28日 読売新聞に掲載されました。

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お米屋の挑戦 早大生が迫る

ネット番組来月にも

 早稲田大学放送研究会の有志が、墨田区の老舗米穀店の取り組みを追った映像作品の制作を続けている。30種類以上の銘柄の米を用意し、3合からの量り売りにも応じるなど、米穀店の新しいスタイルを模索する経営者の意気込みや苦悩を紹介。作品は、来月にも墨田区商店街連合会(区商連)のホームページで公開される予定だ。


市野沢さん(左)から話を聞く(右から)三井さんと深沢さん

 制作に取り組んでいるのは、早大第二文学部2年の林田昭広さん(22)、教育学部2年の三井広樹さん(20)、政経学部1年の深沢俊雄さん(19)の3人。区商連がホームページで区内の商店を紹介する番組の制作者を探していると知り、手を挙げた。

 撮影先は、同区江東橋の米穀店「亀太(かめた)商店」。江戸時代の1782年創業の老舗だが、記録的な冷夏で米不足となった1993年の騒動を機に、実質的に店を切り盛りする8代目、市野沢利明さん(49)を中心に、革新的な販売スタイルに取り組んできた。

 市野沢さんは、自身で生産地に赴き、品質を確認し、生産者と意見交換もする。ミントの香りで虫除けした無農薬の「ミント米」は市野沢さんが命名した品種だ。店頭には30種類余を並べ、客は米粒を手にとって確認することもできる。

 特に珍しいのが、3合500グラムの少量から量り売りし、その場で精米するサービス。市野沢さんは「米は生鮮食品。日々の料理に合わせ、使い分ける楽しみ方があっていい」と話す。

 お祝い用のラッピングやネット販売にも手を広げ、今では北海道や沖縄から注文が舞い込んでいる。

 カメラを回す深沢さんは「市野沢さんの創意工夫がすごい」と興奮する。

 撮影を取り仕切る三井さんは、昨年のNHK全国大学放送コンテストのテレビドキュメンタリー部門で3位に入賞した実力の持ち主。特に興味深かったのは、市野沢さんが精米時間を惜しんで、白米はないのかと求める客に、精米の良さを一生懸命説明したという苦労話だという。三井さんは「見る人を『自分も何か変わるかもしれない』と感動させたい」と意欲を燃やす。

 市野沢さんも「若い人になじみの薄い個人商店が、どう描かれるか楽しみ」と期待している。

 番組は一般客向けの「魅力満載編」(約2分)と、経営者向けの「商売秘伝編」(約8分)の2本。来月中にも完成予定で、区商連のホームページ(http://www.sumida‐showren.jp/)で公開される。問い合わせは、区産業経済課((電)03・5608・6187)へ。

(2008年3月28日  読売新聞)