九州から北海道までの新米が出そろった。米の食感は品種によってモチモチ系、サラサラ系などさまざま。今年は猛暑の影響で、見た目の悪い「規格外米」が発生し破格の安値で販売されるなど価格もバラエティー豊かだ。品種で選ぶか、値段重視か。今年の新米、どう選びますか?(村島有紀)
≪生活スタイルで≫
「米によって甘みや硬さ、炊き上がりの見た目も違うことが分かりました」
1等米を扱う東京都墨田区の米穀店「亀太商店」。4日間のインターンシップで、米のテイスティングを繰り返した3人の高校生(16)は口々に話した。
米は品種や産地によって粘り気や甘さが違う。どんぶりに合う▽すしに合う▽おにぎり向け−などさまざまだ。
五つ星お米マイスターの市野澤利明さん(52)によると、「ひとめぼれ」や「あきたこまち」など和食全般に合うのがコシヒカリ系。サラサラして飽きがこず、すしなどに向くのが「はえぬき」や「どまんなか」などのササニシキ系だ。味だけでなく、ライフスタイルも選択の基準。「インパクトのある米はたまに食べるにはよいが飽きやすい。毎日3食、米を食べる人にはあっさり系を勧めます」
≪味に違いなし≫
今年は夏の猛暑で、2等米や3等米、規格外米が大量に出た。価格を大幅に下げて販売されるケースもあり、節約志向の消費者の人気を集めている。
群馬県では平地を中心に県産米の「ゴロピカリ」が白濁(はくだく)するなどの被害を受けた。太田市によると、市内の98%が規格外。流通が難しいため、農協の依頼を受けて今月15日、市役所ロビーで5キロ880円(昨年の市場価格の約6割)で販売したところ、40分で600袋が売り切れた。市農業政策課では「等級は見た目による振り分けで、味にそれほど違いはない。市内の人にできるだけ消費してもらえるよう予約を受け付け中です」と話す。
収穫量の9割以上が「規格外」の埼玉県産のブランド米「彩のかがやき」。首都圏と東北エリアのイトーヨーカドーは今月6、7の両日、5キロ1280円(昨年の市場価格の約6割)で発売し、120店全店舗で完売した。広報担当者は「店頭試食で『どこが規格外なの?』と聞かれるほど。今後もニーズがあれば定期的に取り扱いたい」としている。
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